2019/12/14
化石賞
化石賞は、不名誉な賞です。今、スペイン・マドリードで開催中の第25回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP25)での事です。
なんと、日本はこの期間中に2度も国際環境NGOから化石賞を授与されました。
COP25の焦点の1つに脱石炭があります。
石炭は、同じ化石燃料の中でも最もCO2の排出量が多く、日本の電源構成では、石炭火力発電が約33%を占めます。
1度目の受賞理由は、梶山経済産業大臣の「石炭火力発電など化石燃料の発電所は選択肢として残していきたい」とする記者会見です。
世界の2酸化炭素排出量は、中国、米国、インド、ロシアに次いで日本は5番目で全体の3.7%を占め、温暖化対策が非常に遅れていると評価しました。
2度目の受賞理由は、「セクシー発言」で物議を醸した小泉環境相の閣僚級会合での演説です。
日本の石炭火力発電について「世界的な批判は認識している。
今以上の行動が必要だ」と表明しました。
演説では、批判が高まっている石炭火力発電の利用と今後どうしていくのかとか温室効果ガスの削減目標の引き上げについて言及しませんでした。
各国からは、具体性に欠け、言葉の軽い印象を与え、落胆の声が聞かれました。
受賞後、小泉環境相は「化石賞をもらう可能性があると思っていた。驚きはない」と発言しました。
COP25は、会期を2日延長して徹夜で協議しましたが、残念ながらパリ協定の実施ルール作りの合意に至りませんでした。
日本は、世界で自慢できる優れた誇れる高度な技術を持っています。
政府には、石炭火力発電を使う限り、大気中へ排出するCO2を除去する企業育成に努めていただきたいと願っています。